その土地の食や風習に触れて、自分の生活に取りこむため
私が旅をする一番の理由は、自分の日々の生活に新しい食体験や習慣を取り入れたいから。
日々生活を営んでいると、自分自身の習慣の繰り返しになります。食べるものもだいたい決まっていきます。
その繰り返しを退屈だと感じたことはありませんが、日常生活に少し新しいものを取り入れると生活が楽しくなります。
旅をするとその土地で食べられている郷土料理に出会ったり、その土地の人々の行事や習わしに触れられたり、自分の普段の生活とはまた違った生活文化に触れられますよね。
旅先でそのような生活文化に触れて「自分もやってみたいな」、「旅から帰ったら旅先で出会ったあの料理を作ってみたい」と思ったことを真似しています。
今度旅行する場所では、一体どんな食習慣や生活習慣があるのだろう?私自身の日常生活の参考になったらいいな。
そんな気持ちで旅をしています。
自然の恵み・都市の恵みを思い知るため
私は子供のころから比較的、都市部に住んでいます。
そのせいか旅をする時は無意識に自然の多い場所を選んでいます。
都市部で暮らす私が自然の多い場所に行くと、自然の恵みを感じます。
木の葉の揺れる音、小鳥のさえずり、緑と土の香り、セミの声、しんしんと積もる雪の静けさ。
都市ではいくら願っても触れられないものが、田舎にはある。
自然は時に厳しいけれども、人間が生きるために必要な作物を作ってくれるし、美しい。
そう実感する一方で、自分が暮らす都市の恵みにも気づきます。
買いたいものをすぐに買いに行ける、気軽に行きたい場所に出かけられる、公共交通機関が充実している、病院やクリニックがたくさんある、仕事が見つかる。
都市の恵みもやはり、田舎では手に入らないものばかりです。
どんな場所にいても自分の暮らす環境への感謝の気持ちを忘れたくない。
そんな思いが、旅をしたいという気持ちの引き金になっているのかもしれません。
新しい角度でモノを見るヒントを得るため
新しい発想や良い思いつきは、日常のルーティンから外れてみた時に思いがけず生まれます。
旅をしている間は時間を気にしたり、仕事の細々としたことを考えたり、夕ご飯は何を作ろうかと悩んだりすることがありません。
頭の中から日常を追い出して、空っぽな状態で今この瞬間を楽しめます。
そして見たことも無い、触れたことも無い新しいものにたくさん出会います。
そうするとふと何か良いことをひらめいたり、いいアイディアが浮かんだりして、滞っていた物事が流れるように進むことがあります。
旅をすると一旦すべてを忘れて、中立的な視点に立って、かつ新しい角度からも物事を考えられることが多いなぁと私は感じます。
自分が身を置く世界が全てではないことを知るため
世界はとても広くて、色んな人が色んな場所で、色んな生き方をして暮らしている。
そんなことは当たり前なのに、日々の忙しさに追われていると自分の生活に一杯一杯になって忘れてしまいます。
そして忙しい生活の中で何かに失敗したり挫折したりすると、「もうダメだ」と思うこともあるでしょう。
でもそう思いそうになった時には、旅先で見た世界を思い出すようにしています。
自然が多い場所で自然と共に生きる人々がいる、南の国でゆったりと流れる時間の中で生活する人々がいる、梅園を営む梅農家さんたちがいる。
旅先で出会った世界を思い出すと、かならずしも今自分が身を置いている世界で生き続ける必要は無いのだと思って、気持ちが楽になります。
その時々で自分が生きる世界は自分で選べる。生きる方法の選択肢は自分で選べる。
旅の体験はそのことを教えてくれます。
日本の文化を学ぶため
国内旅行の話になりますが、国内を旅すると必ず日本を感じるものに触れます。
伝統工芸だったり、郷土料理だったり、お祭りだったり、神社やお寺だったり。
そういった日本もものに触れるたびに、海外とは違う日本の美しさを感じられます。
日本で培われてきた文化に触れると、自分も1人の日本人であることを思い出します。
海外のものが簡単に手に入れられて、海外のもので生活ができる便利な世の中で、自分は日本人として日本を活性化させたい。
そんな気持ちも沸いて、最近買い物をする時には国産のものを選ぶようになりました。
日本の食文化、伝統工芸、お祭り・・・。
旅することを通して、自分の国のあらゆる文化を支えて継承してきた人々への大きな感謝の気持ちが湧くのです。